2014年1月26日日曜日

見知らぬ人との対話

古本屋さんには小さなころから随分とお世話になってきました。権利関係を考えるといろいろな問題があるとはいえ、古書店や図書館がなかったら読んでいなかったであろう本も山ほどあることを考えると、一概に悪いものとは言えない気がします。

たくさんの人の手を渡り歩いてきた本に詰まっている、小さな歴史の積み重ね。そんなものが垣間見えるときがあって、ドキッとすることもあります。図書館の本への書き込みは厳禁ですが、古書店の本はまた別。「書き込みなし」と保証されていても全ページ確認されているはずもなく。

今までで一番印象に残っているのは、「完全自殺マニュアル」というベストセラー本にあった書き込み。興味本位で古本で買ってみたはいいけれど、『服毒自殺』の章に入ると、体重から割り出した致死量の計算式などがズラズラとメモしてあったのです。ゾクッ。

こんなことを思い出したのは、今日読んでいた本のラストページにがっつり書き込みがあったから。「書き込みなし美品」ということでわりと高価だったのでクレームを入れようか迷ったのですが、目を通したら何かぎゅっと胸をつかまれてしまって、まあいいか、と思ってしまった。

素敵な文章だと思ったので下に書きとめておきます。あなたは今、元気にやってる?なんてほろ酔いの頭で話しかけつつ。書名は内緒。

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私がいい加減に生きていたときは、世の中はもっと簡単だった。生きることももっと簡単だった。何かが違うと感じたその瞬間から全ては重たくなった。そして生きるとうとさを知った。
この世に生きる全ての人がすてきだと思う。たくさんの個性を愛したい。過去を隠す必要があるだろうか。
前を向いて生きよう。もっと素敵な未来が待っているから。

父は哲学を語る人だった。
それは学校で学んだ事ではなく自らの経験から会得したものだ。
素晴しいと思う。
父から学びたい。
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色鉛筆がプチマイブーム

 

2 件のコメント:

  1. うーん
    昔は一生懸命だったのに
    いまは、なんとかなるわと、いい加減な私
    年を重ねるのも良いものと思うこの頃てす

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    1. 私ももう少し肩の力を抜いていきたいと常々思っています。このメモを書かれた方は、きっとすごくお若い(十代とか)のではないかな、と思いました。でも、ちょっと親近感もあったり…

      あけみさんのゼンタングルも拝見してます。すごい!私もあけみさんのように年を重ねていきたいです(^^)

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