夢と現実が絡まって織りなされる世界は、ファンタジーよりもずっとリアルでした。刹那的な生き方を選ぶ気持ちも、震災以前よりはずっとよく分かります。登場人物それぞれが、自分の大切にしたいものをちゃんと分かっていて、そして全力で守っている。そんな姿が強く美しかった。「生きざま」という言葉が胸をよぎりました。
もちろん主人公の姿は宮崎監督に重なるものがあり、覚悟と想いが伝わってきました。引退を覚悟して、全ての想いを込めて作ったのだろうなぁ、と。このあたりは、深い考察をされている方がたくさんいらっしゃいますね。
いろんな見方ができる作品ですが、私はラブストーリーとして胸打たれる部分が多かったです。「風立ちぬ」という堀辰雄さんの小説は、この恋愛部分だけなのですね。そこに、全く別人の堀越二郎さんという航空技術者の人生を組み合わせて生まれた作品、ということらしいです。
ラスト近くでは、何だか知らない間に号泣していました。あとからあとから涙が出てきて、どうしよう、と。いまだに、なぜあそこまで号泣したのかよく分からない。いつもならこういう時、エンドクレジットが流れる間に気持ちを落ち着かせて、体勢を立て直すんです。ところが、ここで流れてきたユーミンの「ひこうき雲」…困ったことに、さらに号泣。こういう時、隣に友人がいるときの気まずさといったら(^-^;)
もう一度、いつか観直したい作品です。もう少し冷静に。
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「ひこうき雲」は、もう相当昔の曲です。高校時代くらいに初めて聴いて、大好きになりました。そして、いつの間にかこの曲は自分の中で物語になっていたんですね。絵も浮かびます。治らない病気で入院していた、ひこうきが大好きな小さい男の子。いつもいつも、病院の窓から空を見上げてる。
でも、この映画を観るとあまりにも曲がはまっていて、曲を通して見える風景が一気に変わります。
この日、午前中の講演会で金原瑞人さんがちょうどこんな話をしていました。「人は、文中に男とも女とも書いていなくても、勝手に自分で性別を決めて読み進めているものだ」というお話。この曲も、別に男の子とは言っていないのにいつの間にか私は勝手にそう決めていた。それを自覚させられて、妙なところで午前と午後が繋がった日でした。
そうですか、うっちーさんの感想でとても心惹かれます
返信削除ジブリは、孫たちのお供で見ているうちにすきになりました
一年サボリましたが、久しぶりに英語の絵本を読んでみたくなりました
この映画は、お孫さんたちと楽しむのはちょっと厳しい感じでした。完全に大人向けの映画ですね。でも、あけみさんなら気に入ってもらえる作品のような気がします。機会がありましたらぜひ^^
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