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2013年11月18日月曜日

週末学生

早くも師走というようなバタバタ感の漂う今日このごろ。週末は二日間みっちり、放送大学の面接授業でした。科目は「入門心理学研究法」、ご担当は広島大学の尾形先生。やはり面接での授業は刺激的で楽しいです。全8コマ、あっという間でした。最後のコマは試験でぐったりでしたが、久々に学生に戻って新鮮な気分でした。手応えもバッチリ。大学時代にもこんなに真剣に授業を受けたことないんじゃないだろうか…

色づいたキャンパス

今期は週に4コマのペースで心理学関係の授業をとっています。なかなかハード、というかかなり遅れ気味ではありますが、なんとか頑張りたいです。普通に仕事をしながら4コマは、ちょっと欲張りすぎたかもしれません…次学期は1コマ減らそうかな。でも、内容はすごく面白い。心理学って、世間では結構誤解されていると思うんですよね。占いや宗教とは全くの別ものです。実験に基づいた非常に科学的で論理的な学問なのだと、私も学び始めてから知りました。統計などにも少し興味が出てきたのは嬉しい収穫。グラフの正しい見方など日常生活に役立ちそうな知識もたくさんありますし、人間の目に映るものにはほとんどバイアスがかかっているのだということもよく分かりました。

仕事とは全然関係ない、純粋な興味からの勉強というのが本当に久しぶりで、大変ではありますがとても楽しいです。授業中、グループで話し合ったりもするのですが、今日は県外からいらしてる方とお話しする機会がありました。夜間コースで教えてらっしゃる教員の方で、難しい生徒が多いので少しでも理解したいと自主的に勉強しているとのこと。地元でも面接授業は開講されているけれど、尾形先生の講義をとりたくてわざわざ広島までいらしたそうです。すごく情熱をお持ちの方で、こんな機会でもなければお会いすることもなかっただろうと不思議な気持ちになりました。

自分も、心理学に興味をもった経緯をぽつぽつと話したり。私の場合は震災がきっかけだったので興味の入り口は社会心理学でしたが、学び始めてから、心理学という学問の幅広さに驚いているところです。

たまにはこんな勉強もいいものだなと感じています。今までと全然違った方向へ視野を広げるきっかけにもなりますし、授業で紹介された参考図書などを読むうちに読書の幅も広がりました。

でも来週は知的財産管理技能検定。仕事に関連する勉強も忘れず(^^) 別に翻訳に必須の資格ではないですが、資格試験は勉強の良いペースメーカーになります。


★心理学、私の興味の入り口になった本の感想メモです。


落ち葉の絨毯まであとすこし

 

2013年10月30日水曜日

「es エス」-スタンフォード監獄実験

ずっと気になっていたけどなかなか観る勇気が出なかった映画を、先日やっと観ました。1971年に行われたスタンフォード監獄実験をベースにしたドイツ映画、「es エス」(2001年)。



30年ほど前、スタンフォード大学心理学部でひとつの実験が行われた。それは公募で集まった人間を看守役と囚人役に振り分け、模擬刑務所内においてそれぞれ与えられた役割に従って行動させ、肩書きや役割が人間の行動に与える影響を調べるというもの。しかし、看守役の被験者は次第に支配的、攻撃的に、囚人役の被験者たちは受動的、服従的になっていき、ついには囚人役の何人かが重度の情緒不安定に陥り、当初2週間の予定だったこの実験は6日で中止となってしまった。以後、こうした実験は倫理的に問題が大きいために全面的に禁止されている。本作はこの有名な心理実験を基に描いた問題作。(allcinemaより)

これが処女作だったというオリバー・ヒルシュビーゲル監督は、偶然にも現在公開中の「ダイアナ」の監督。ダイアナはイギリスの話ですし、ずいぶん作品の色が違いそうなので少々びっくりしました。もっとも、スタンフォード監獄実験はアメリカの話ですが。(舞台を完全にドイツに移しています)

2010年にハリウッドでリメイクもされています。「エクスペリメント」。エクスペリメント=実験、そのままだなぁと思って、ふとドイツ語の原題を確認したら「Das Experiment」。こちらが原題に忠実なのですね。「es」が日本独自のタイトル。ドイツ語の「es」は英語の「it」に相当するそうですが、心理学用語で「無意識層の中心の機能」という概念を意味するとか。ハリウッド版はどんな感じなのか、いつか見比べてみたいです。

いや、もう本当にえげつないシーンが多い。何が恐ろしいって、現実にはありえないホラーなどと違って「ああ、人間ってこういうところあるよね(自分含む)」と思えてしまうところ。だから他人事に思えず、自分だったらどうなるだろう、どうするだろう、といちいち考えてしまうのです。ぐったり。

実験の大まかな内容は知っていましたが、2日目から既にかなりの変化が起きていることに衝撃を受けました。2週間の予定が、1週間もたなかったのです。映画の後半の展開が衝撃すぎて調べたところ、フィクションも結構入っている模様。そうだよね、こんなことまで現実に起きてたら大問題すぎるよね…と変にホッとしたり。

どこまでが事実なのか知りたくて、実験報告の書籍など出ていないか調べてみたのですが、この実験に関しては見当たりませんでした。しかし同種の実験「ミルグラム実験(アイヒマン実験)」に関しては、報告書が出版されています。これも以前、社会心理学の入門書で非常に興味を惹かれた実験だったので、とりあえずこちらの本を購入。

服従の心理 (スタンレー・ミルグラム 著 山形浩生 訳)



いつもどおりあとがきから読んでしまったのですが、翻訳を手がけられた山形氏が個人の見解もたくさん述べられていて面白いです。"ふつう、人間は理由もなく他人を痛めつけるなどということはしない。だが一定の条件下では残忍性を発揮してしまう"-というアイヒマン実験の前提に、まず疑問を呈してしまいます。「理由もなく他人を痛めつけることなどない、とは本当か? 獲物をいたぶる楽しみはネコだって知っている」と。だからいじめはなくならないのだと。

「権威が命令すれば、人は殺人さえ行うのか?」と、この本の紹介にあります。こういった実験のきっかけとなったのは戦争だったそうです。心理学が大きく発展した要因には戦争があったという事実を、私は長らく知りませんでした。戦争中には、それだけ人間たちが信じ難い行動をしてしまったということでもあります。こういった心理実験については、本で読んだときにも「倫理的にどうなの?」と思ったものでしたが、どこからがNGなのか、線引きをするのが非常に難しそうです。

私が心理学に興味を持ったのは震災がきっかけでした。制御不能な状態に陥っていた自分や周囲を、少しでも理解したいと思いました。異常事態の中では、予想もしなかったような人間の様々な面が露わになります。これからだって何があるか分からない。それはきっと善とか悪では計れないものだし、実験などしてもどれだけ意味があるのか今の私にはまだ分かりません。分からないので、少しずつでも勉強できたらと思っています。まだ歴史の浅い災害心理学という分野も、SNSなどの台頭と絡みつつ、今後さらに大きく発展していくときなのではないでしょうか。

 

2013年7月13日土曜日

晴れときどき学生

先日、某通信制大学に願書を出しました。

学ぶのは心理学。卒業が目的ではないので選科履修ですが、せっかくなので認定心理士の取得を目標にしようと思っています。これは職能資格ではなく、心理学の基礎を一通り修めたことを証明するもの。分かりやすい目標があったほうが勉強の励みになるかなと。

心理学については震災後、何度か興味を持つきっかけがあり、ここまで紆余曲折がありました。関連書籍なども読んでいくうちに、一度体系的に学んでみたいと思うようになり、仕事との両立も考えて通信の選科履修という選択に。これで終わるか、何かに繋がっていくかは分かりませんが、何ごとも基礎知識がないとどうにも動けないのでまずは第一歩です。ここに記録してちょっとだけ自分にプレッシャーを。

認定に必要な単位数を考えると、目安は三年。もちろん翻訳の仕事が最優先なので思いどおりにはいかないかもしれませんが、すこし頑張ってみようと思います。考えてみれば、新しい勉強を始めるのは久しぶりのこと。何らかの形で仕事に生かせる日が来るかもしれない、そうでなくとも意外な視野が開けるかもしれない、というワクワク感も大切にしていきたいです。

そんなことをつらつらと考えながらジョグに出た日、夕陽がとても綺麗でした。

夕陽が背中を押してくる(^ ^)