さて、いよいよ登頂日。3時ごろから準備をしている方もいましたが私は3時半くらいまでうとうと。4時すぎには出発の予定です。雨はざーざー。予報のとおりなので、これには動揺しませんでした。何日か山にいれば雨に降られることは珍しくもないので、少しはこういうのに慣れておきたいという気持ちも最近はあります(前向き!)。
みんな、何度も天気予報をチェック。ふつうの天気予報でなく、山の天気予報です。麓が晴れていても雨だったりするし、風速も全然違うんですよね。どうやら下山までには雨は上がりそうだけど、風は弱まりそうにもない感じでした。
3:30 起床
4:20 横尾山荘出発
9:00 下山開始
11:30 横尾山荘
11:50 横尾山荘出発
14:20 上高地バスターミナル
レインウェアをしっかり着込んで、買ったばかりのレイングローブもつけて出発。ここら辺は全然寒くありませんでした。昨日、上高地から3~4時間ほど歩いて来ましたが、実は標高はほとんど変わっていません。ほぼ平らな道だったのです。ということは…ここで一気に上がることになります。標高差はおよそ1000メートル。それを慣れない雪道で上がるわけですから、ちょっと不安でした。
ガイドさんの話では、これから登山を続けていくなら1時間で300~400メートルの標高差を上がる力はほしい、と。白木山なら2時間くらい…なるほどです。こういったお話は頑張る目安にもなるし、ありがたいですね。
雨の間、カメラはしまいこんでいたので写真は全然ありません。1時間半くらい登ったところだったでしょうか、次第に雪道になってきました。標高にして2000メートルを超えたあたりです。でも、どうやらアイゼンはつけずに行くようです。確かに、雪がちょっとゆるんでいます。キックステップは心がけるものの、滑るし、たまにズボッとはまったりして、危ないことこの上ない。そして、雪の上にいると次第に寒くなってきました。
あれもこれも登りたい |
もうすぐ稜線に出る…というところで小休憩。ここで、本当だったらバラクラバとかゴーグルなどを身につけるべきでした。せっかく買いそろえたのに、使うタイミングを逃してしまった(^-^;) 講座というからには、教えてほしかったとも思ったりしますが…山はすべてが自己責任。身をもって強風の恐ろしさを知ることができたので、良い経験になりました。
いざ稜線へ |
稜線に出てからの強風は、想像を絶するものでした。25メートル超えていたらしいです。一歩も進めず息ができず目も開けられない。背中を丸めてその場にふんばってみるも、なぎ倒される。なぎ倒された瞬間に、近くにいた男性が私のザックをつかんでくれて、岩場に倒れずにすみました。そのままザックをつかんで風の弱い樹林帯まで引っぱっていってくれて…吊り橋効果というものを身をもって体験しました。「よくがんばった」と言ってくれたら完全に島崎三歩だったのだけど…
そんなわけで、山頂を目の前にして登頂は断念。悔しいとも思いませんでした。無理、もう無理!そうとしか思えなかった(笑)。大自然の前に、ほんとうに無力です人間は。過信してはいけません。私のこの諦めの早さは、山に向いてると言われました(^-^;)
次に来たとき、風が強いなと思えば稜線に出る前にゴーグルとバラクラバを身につけるでしょう。指先が冷える前に手袋も二枚重ねにするでしょう。足先も意外に冷えるなと思いましたし、レインウェアとアルパインジャケットの差も実感しました。豪風の中でのアルパインジャケットの頼もしさはすごかった! 登頂できなかったことで、いろいろと学べたようにも思います。
でも、雨の中登頂して何も見えないより、登頂はできなかったけどこんな景色を見られたことのほうが、ラッキーだったんじゃないかな…と思います。負け惜しみかもしれませんが☺
みんなありがとう |
そんなこんなで、今回アイゼンもピッケルも使いませんでした(笑)。ちょっと残念ですが、天気とか自然のことはそれだけ予測が難しいということですね。かといって、「要らなそうだから置いて行く」という選択肢はないわけです。もし必要だった場合は…? 命にかかわりますから。これもいい経験です。
ずっと使えるしね |
2日間一緒に過ごしたみんなとバスの時間までしばしお喋り。その後はまた一人旅です。時間的にはそのまま広島まで帰ることもできたのですが、名古屋の友だちに連絡したら予定を空けてくれたので、次の日ランチして帰ることに。
ほんの数日のことなのに、盛りだくさんで大満足の旅となりました。このパワーでまた仕事も頑張れるし、既に次の山行計画も立て始めていたりします☺ そして、蝶ヶ岳にもまた行かねば!
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