2013年12月22日日曜日

予想とはちょっと違った「かぐや姫の物語」

高畑勲監督、ジブリの「かぐや姫の物語」を観てきました。

姫の犯した罪と罰--そこにもっと踏み込んでいるのかな、と期待していたのでちょっと拍子抜けした感もありましたが、全体としてはとても印象に残る作品でした。明確な意味とか答えとか、そういったものを求めていくと期待外れになってしまうかもしれません。考える作品ではなく、体験する作品のような気がします。昔から知っているあの物語が、目の前で生き生きと再現されるのはワクワクしました。

何といっても、絵の魅力。スケッチ風の、余白を生かした柔らかな水彩画の美しさ。そして、その動きの面白さ。かぐや姫がみるみるうちに大きくなっていくさまなど、見ているだけで本当に楽しい。ぐいぐい引き込まれます。そういう意味では前半が圧倒的に好きでした。

でも、予告で使われていた、姫が全速力で走って行くシーンも素晴らしかった。

ストーリーは「竹取物語」にほぼ忠実に進んでいきます。そしてラストシーンの説得力がまたすごい。なんていうか、音楽とかすごく浮いてるんです。それまでの流れ無視というか、世界観無視というか…思わず笑ってしまうくらい空気が一変して、「えっ?」という感じ。もうどうにも抗えない、異空間。ことばが通じないというのは、きっとこういうことなんだ…と。悩みや苦しみなど一切存在しないという月の世界、それはきっとそれほど幸せなことではないのだと、地球に憧れてしまったというかぐや姫の気持ちが何となく分かってしまう、そんなシーンになっていたと思います。

音楽といえば、高畑監督の作詞・作曲だという「とり、むし、けもの、くさ、き、はな~」のわらべ歌がとても好きでした。映画を見終わったあともしばらく口ずさんでいたくらい。

世界観を楽しめる人には、すごくオススメしたい作品です。絵にも音楽にも和の魅力がたっぷりで、時代は違うはずなのになんだか懐かしい感じ。

捨丸との再会シーンでは、心の中で盛大にツッコミましたがw

うり坊のシーンもかわいかった

 

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