もちろんこの雑誌の存在は知っていましたが、買ったのは初めてだと思います。エドワード・ゴーリーの特集に惹かれて予約。
ミステリマガジン 2014年 12月号
うちの母がすっごいミステリ好きなんですけど、私はそれほどでもなく。とはいえ代表的なクリスティ作品などは読んでますし、東野圭吾あたりはほぼ読破した時期も…あれ? 意外に好き? ミステリって、人間が記号的に使われる感じがちょっとだけ苦手です。でも、どんな物語でも、先を読みたくなるミステリ的要素は重要だったりする。
いやーでもこの雑誌、面白いですね!特集はもちろんなんですが、その他は主に書評にページが割かれています。で、ミステリって書評難しいですよね…ネタバレしてはいけないし。どこまで書いていいものか、ブログで映画や本の感想を書くときにもいつも迷うところです。
それが本当に絶妙なラインで書かれていて、ほー!と唸ってしまいます。ぼやかしすぎても面白さは伝わらないけれど、ギリギリ「読みたい!」という気分にさせるところまでもっていく。そんな感じの書評につられて、「その女アレックス」(翻訳:橘明美さん)という小説を即日購入、一日で読んでしまいました。ミステリマガジンおそるべし…
これは本当にぐいぐい引き込まれるストーリーでした。ちょっとグロさは苦手でしたけど…原著はフランス語なのですが、翻訳ものだということを感じさせない翻訳にも唸りました。今、映画化の話が進んでいるそうです。
久しぶりにミステリを読んで、昔クリスティなどにハマった時期を思い出し、ポアロ最後の事件という「カーテン」(翻訳:田口俊樹さん)も続けて読了。今はホームズの短編集(翻訳:深町眞理子さん)など読み始めてしまいました。ミステリマガジン…恐ろしい子…!
小鷹信光さんらの翻訳に関する対談なども載っていて、読み応えあります。考えてみれば、ミステリと翻訳って切り離せないものなのでしょうね。昔々、私が初めて買った翻訳に関するエッセイ本、その著者が小鷹さんだったのを思い出しました。まだ今ほど翻訳に関する本は多くなかった時代です。
肝心の特集に関しては、本邦初訳作の「死の吸取紙(The Deadly Blotter)」(翻訳:濱中利信さん)が非常に気になって、もう10回以上読みました。これ、犯人は想定して書いてるんでしょうか?読者の想像にゆだねる感じなのかな…気になって仕方ありません。編み物が後の場面にも出てきたのは気づいたのですが、それが犯人とどう繋がるのか?読んだ方がいたら語り合いたい…そしてこの翻訳は勇気ありすぎる、と思いました(笑)。
こんなふうにやきもきしてしまうことこそ、ゴーリーの思うつぼなのかもしれませんね。
また買ってしまいたくなる雑誌でしたけど、読みたい本が増えすぎて精神衛生上は良くないかも…そこは気合いで読んでしまいたいとこですけども。今も数冊読みたいリストに入ってます。
P244のクライム・コラムが面白かったです(翻訳:武藤陽生さん)。これに背中を押されて「カーテン」を読みました。
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