2013年9月4日水曜日

「むこうがわのあのこ」

ここ数日、まるで嵐のようなお天気が続いていた広島ですが、ようやく晴れ間が見えたので調べもののため図書館へ。そこで何気なく手にとった絵本が、思いがけず心にずっしりきました。

「むこうがわのあのこ」
ジャクリーン・ウッドソン著/さくま ゆみこ訳



柵のこちら側に住んでいる、「くろいわたしたち」。そして、柵の向こう側には「しろいあのこ」が住んでいます。

あの柵を越えてはダメよ。そう言われて過ごす子どもたち。でも、お互いが気になってたまらない。ちょっとずつ、距離がちぢまっていく日々。その様子を見つめる母親の反応や、ラストの子どもたちの会話には重みがあり、胸が痛くなりました。思わず、もう一度はじめから読み返してしまったほど。

最初から最後まで、ひらがなだけで訳されています。なので対象年齢はとても低いのだと思いますが、何度読み返しても年と共に深く味わえる本のように感じました。日本の子どもたちには一見難しいテーマのようにも思えますが、こういった風景が日常の国もあるのですよね。

原作は「The Other Side」。こちらも読んでみたくなりました。

嵐のあとの夕暮れ

 

2 件のコメント:

  1. こどもの頃、おとなたちから行ってはいけないと言われていたところがありました。大きな川が有り、その橋を渡った所でした。

    孫たちといっしょに読みたいと思います

    教えていただいて、ありがとうございます。

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    1. あけみさん、お孫さんといっしょに読むのにぴったりの絵本だと思います。私も胸がじーんとしました。ぜひぜひ、お孫さんと楽しんでみてください^^

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