2016年8月10日水曜日

工業英検1級の勉強法など

工業英検1級の受験記録を書いたまま、すっかり忘れていたことをつつかれて思い出しました。使用したテキストなどについてです。といっても、本当に定番のものしか使っていません。

もともと本はいろいろ読むほうなので、その中でも特に実用的だったと思うものを挙げておきます。何といってもこの二冊。特に左の「技術系英文ライティング教本」は、最初の一冊に最適です。3C (Correct, Clear, Concise) を意識した英文を書くにはどうすればいいか、短い例題をたくさん盛り込みながら順を追って解説されています。私はすべての例題を解きながら、3回以上通読しました。

必携のテキスト

右側の「工業英検1級対策」は、試験対策本というよりも純粋にテクニカルライティングについて解説されている本です。分かりやすいので、2級を受験するときから読んでいました。こちらも4~5回は通読したと思います。最後に重要な点を英語でまとめてあるので、二次の面接にも役立ちます。ただ、現在品切れのようですね…定価は2300円+税でしたが、古本が高く売られているようです。他にも問題集などは、もうだいぶ前から品切れです。

とはいえ、前回の記事にも書いたように1級は「問題集」とか「解答」などに頼るレベルではない、と講師の方に言われたこともありました。過去問は公式サイトに入手方法があるので、それに取り組みながら定評のあるライティング系の本を精読していくと良いのではないかと思います。あとはとにかく、訳すことですね。英訳とリライトがメインなので。実務レベルのスピードが求められます。

実務と違うところは、パソコンが使えない点です。辞書の持ち込みは2冊まで可ですが、紙の辞書。これは時代に即していないという意見もよく聞きますし、私も最初はそう思っていました。けれど「同じ条件で受験するからこそ資格に意味がある」という言葉には納得しましたし、パソコンに頼らず手書きでささっと英文を書いていく経験は新鮮で、学ぶことも多かったです。実際、きちんと実力がついていればパソコンがなくとも何の問題もないはずです。皆おなじ条件です。何度も辞書を引いている時間はありませんし、のんびり考え込んでいる暇もありません。

ほか、役立った本については今までにも書いてきているので、いくつかリンクを貼っておきます。ほかにもあったとは思いますが…。


技術英文ライティング教本の著者、中山先生のセミナーも一度受けに行きました。これは、とても刺激になりました。事前課題を目の前で添削してもらえたのですが、すごい速さで確信をもってどんどんリライトされていくところを目の当たりにすると、ああこうなりたいと強く思えました。Very Good をもらえたりするとモチベーションも上がります。とても真っ直ぐなパワーのある方で、大阪まで受講しに行ったかいがあったなぁと思いました。

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また二次の面接に関しては、事前に自分で質疑応答を想定し、ノートに手書きですべてまとめていきました。頭の中で考えているだけだと、意外に穴だらけのような気がしたからです。口にする言葉としてきちんとノートにまとめていくと、自分の知識の薄いところやうまく説明できないところがごまかせないので、とてもいい事前練習になりました。10ページ以上にはなったでしょうか。

また、二度目の二次試験の前に、日本工業英語協会の「英文テクニカルライティングプロジェクト」を受講しました。ライティングプロジェクトを進めていくというシミュレーションのもとで、重要な点がわかりやすくまとまっていたと思います。また講義が英語で進められるので、その点でも二次の良い訓練になると思いました。

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対策とはいっても、目的は「試験に合格すること」ではなくて「試験に合格するだけの実力をつけること」です。地道に、ライティング・翻訳の勉強を重ねることが一番の近道だと思います。試験に受かったからといって何かが劇的に変わるわけではないですが、実力がついてくれば仕事も正確かつ速くなってくるはずですし、その分ほかに使える時間も増えてきたりと、お客様にとっても自分にとってもうれしいことばかりです。

少しでも、今後受験を考えてらっしゃる方の参考になれば幸いです。
Good luck!!

また何か思い出したら追記します。さて、仕事をかたづけて帰省の準備をしなければ…。

終わりのなさそうな道