2016年9月19日月曜日

涸沢~奥穂高岳(単独テント泊山行)

テントを担いで、上高地から涸沢、そして奥穂高岳へ4泊5日の単独山行に行ってきました。北穂高は悪天候であきらめましたが、奥穂高の登頂日は最高のお天気に恵まれました。天気予報を見て日程を前倒したのが大正解でした。

下山後に見上げた穂高


細かい記録はこちらに書いてあります。

上高地〜涸沢〜奥穂高岳・涸沢岳 [山行記録] - ヤマレコ 


アルバムはこちらに。

20160910 上高地~涸沢~奥穂高岳・涸沢岳

ザイテングラートへ

5月の蝶ヶ岳に来たとき、いつかテントを担いで来たい…と思ったのでした。こんなに早く実現するとは思わなかったけど。登山教室でいろいろ学び、歩荷訓練をし、先輩たちにたくさん話を聞けたからできたことだと思います。奥穂高という危険度の高い山に挑戦しようと思えたのも、ハードな沢登りで岩に対する恐怖心が少し克服できてきたこと、山での私をよく見ている先輩たちが「きっと行けるよ」と言ってくれたことが大きいです。危ないと思ったら止めてくれる方たちなので。穂高のDVDでイメージトレーニングもしました。軽い気持ちで行ってるわけじゃないんだよ…とやたら心配する両親に伝えたい(^-^;)

テントで地面を感じながら寝ると、本当に自然と一体になったような気がします。気持ちいいけれど、それと同時に恐ろしさも感じます。布一枚の中によく寝ているよなぁ、と冷静になると思ったりして。

涸沢にマイホーム設営

それでいいんだと思います。畏れを忘れてはいけない。寝ている間にサンダルを片方持って行かれたりもしました。(たぶんキツネ…)

2日目に横尾を通過するとき、警備隊の方たちに呼び止められました。
「お一人ですか?どちらへ?」
「今日は涸沢まで、明日は奥穂へ登ります」
「奥穂高へのザイテングラートでは、今週既に3人死んでますので、決して無理はしないでください」

さらっとした会話でしたが、背筋がぞくっとしました。「今週、ですか?」と思わず聞き返しました。

涸沢に到着して、小屋の人に「今週、3人も亡くなったそうですね」と聞いたら、「さっきも1人亡くなって、ヘリが飛んできましたよ」と。

そういう場所なんですよね。否が応でも緊張感を保ち続けることになりました。

3日目に奥穂高岳と涸沢岳に登頂し、4日目は北穂高岳に登る予定でしたが、4日目は大雨。視界はまっ白。登ってる方たちもいましたが、私は潔くあきらめました。

奥穂高岳、登頂

山登りをしていると素晴らしい景色に出会うし、達成感も味わえて、清々しい気持ちになります。でも、今回の遠征はもうちょっと色々なことを考えさせられました。単純に楽しいだけではない、常に死が隣り合わせにあるということ。それは別に、山だけの話ではないんですけどね。それでも人は、山に来る。

なんで来てしまうのかな? しばらくは考えてしまいそうです。

帰宅してからザイテングラートの事故について調べましたが、亡くなられた3人はいずれもヘルメットをかぶっていなかったそうです。またお1人は死因が滑落後の低体温症だったそうです。装備の重要さがよく分かります。私は今回テント泊だったので、友だちに「ツェルトはいらないんじゃない?」と言われたのですが、登頂日はアタックザックで登るつもりだったので基本装備として持っていきました。使わなかったけれど、やはり持っていったのは正解かなと思います。

最初から、自分が死ぬと思って登ってる人なんていないんですよね。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。合掌。


横尾から先はずっと携帯(ソフトバンク)が圏外だったのですが、心配してメールをくれてる人がいたりして、下山途中にちょっと泣きそうになりました。何日も1人で過ごすと、こういうことのありがたさが身に沁みます。こんなふうに山登りができるという環境に感謝しつつ、また次の山を目指したいと思います。


 

2016年9月4日日曜日

今年も!八幡高原聖湖マラソン

八幡高原聖湖マラソンに、3回目の参加となりました。ハーフマラソンです。


最近は練習もほとんどできておらず、完走すら危ういかも…と思ったのですが、雨の中なんとか無事に完走証をいただくことができました。

わーい

台風が近づいているし予報は雨だし、棄権もありかな…なんて思ってたんですが、完走するとやっぱり気分は清々しく、頑張ってみてよかったなーと思いました。1人だったら雨の時点で行くのやめていたかも(^^;; いつも背中を押してくれるのは頑張りやの友達です。

ちょっと人は少なめだったかも?

全然写真はありませんが、完走後は生ビールで乾杯しました。このときのビールの美味しいこと!

感想としては、練習してなかったわりには前半かなり余裕を感じて走れたなーと思います。もっと起伏が激しいイメージがあったけど、今年はそれほどには感じなくて、山のおかげかな?なんて思いました。でも、後半どんどんきつくなってきました。特に最後の3kmくらいは、ゆるやーかな登りなのにすごくきつく感じました。距離を走る練習はやはり必要ですね…ふだんのジョグでは5-6kmしか走ってないので。

でも、逆に言えばこういう機会でもないと21kmを頑張って走ってみようなんて気になかなかなれないんですよね。基本的に追い込まれないと頑張れない怠け者なので、年に一度くらいはこういう機会を持つのがいいのかもしれません。でも脚にはかなり限界を感じて、フルは私には無理かも…と思いました(^-^;)

タイムは去年とほとんど変わらなかったけど、無事に完走できて嬉しかった!行くまでは気が重かったけど、やっぱり行ってよかったです。久々に会う友達ともお喋りが止まらなくて、すごく楽しい1日になりました。今日はぐっすり安眠できそうです☺

今年の完走Tシャツは黒でした

 

2016年9月1日木曜日

初めての沢登り

8月は仕事や山や帰省で非常に慌ただしく、あっという間に過ぎてしまいました。その中でも特に印象に残っているのが沢登りです。本当は登山教室2年生のカリキュラムだったのですが、めったにない機会ということで1年生も参加させてもらうことができました。


当日までは、不安と恐怖でドキドキしていました。ほとんど泳げないし、岩登りの経験もないし…でも、経験豊富な指導員の方々や先輩たちも一緒ということで、参加を決意。

沢靴は底がフェルトのものが良いとのことだったので、沢足袋に近くお手頃だったモンベルのサワーシューズにしてみました。内部でつま先が2つに分かれています。サイズは1センチ刻みしかなく、結論から言うとちょっと大きすぎた感じでした。中に水がぽちゃぽちゃ溜まって気になります。別売りのストリームソックスを履くとちょうど良いかもしれません。同じのを買った友だちは、小さめのサイズをセレクトしていましたが、自力で脱げない事態になっていました(^-^;) なかなか難しいですね…ちゃんとした沢靴のほうがやっぱり楽かなと思いますが、年に一度くらいしか使う機会がないのでもったいない気もします。

サワーシューズ

他、沢のために揃えたものはスリングやカラビナ。命を確保するものなのできちんとしたものが必要です。事前に、ロープワーク講習もしていただきました。

スリングは60cm×2、120cm×1

そしてもちろん、ヘルメット。いろいろ試着しましたが、軽さ重視で選びました。どうもヘルメットが似合わなすぎて、どれをかぶってみても笑えてしまい困りました。

MAMMUTのヘルメット

沢登り、と一口に言っても、どういうものなのかイマイチ分かっていませんでしたが、さっそく最初からザブンと川に足を入れます。入れてしまうと、もう気持ちいい!このまま、ザブザブと歩いたり泳いだりして沢を遡っていくのです。

澄み切った水がきれい!

水流に足をとられて転んだりしないように気をつけて…



こんな気持ちのいい場所も

なんと、沢の中にマムシがいました。泳ぎが上手だそうです。ひー。舌をチロチロと出していて、怖かった。さっさと逃げました。

マムシ

テント泊で2日間の沢登りだったのですが、大きめの滝を初日は3つ、2日目は2つほど登りました。もう、怖くて怖くて…自分には無理なんじゃないかと思ったものの、丁寧な指導と安心できる確保のおかげで、私も何とか全ての滝を登りきることができました。達成感がすごかったです。

初日の3つ目かな?

隣で頑張って登ってる友だち。私、よくこんなの撮る余裕あったな…(記憶にない)。

水流があるし滑るから怖い

1日目が終わってみればすごく楽しかったです。そのままキャンプ場へ移動してコインシャワーを浴び、ウェアやシューズを干してから夕ごはん作りを開始。この日は2年生の山行だったので先輩が仕切ってくれて、さすがに私たち1年と違い手際が良かったです。中でも印象的だったのが、乾燥きゅうりとピンクペッパー!乾燥きゅうりなんてあるんですねー、初めて知りました。前回の食事担当のときポテトサラダにキュウリも入れたいなと思ったことを思い出しました。近所にあるかな…

乾燥きゅうりはお湯で20分戻す

ピンクペッパーは、もうこの見た目が可愛くて可愛くて…山で採ってきた実みたい。トマトめんつゆで和えた素麺もトッピングたっぷりで美味しかったです。

ピンクペッパー in 海藻サラダ

しばし宴会をした後、もうすぐ月の出が見られるよーと教えてもらい、みんなで月を待ちました。あと何分でどの辺に月が出るとか、アプリで分かってしまうんですね。びっくり&楽しい。月を待つ時間、って何かいいです。普段あまり話す機会がないような他愛のない話もたくさんできて楽しかった。

月の出

2日目は、1日目よりも深いところが多かったです。私は泳げないので、岩をへつったり(岸壁に沿って、岩をつかみながら進む)、ロープで引っぱってもらったり。すいすい泳いでた先輩、かっこよかったなぁ。

ざぶざぶ

あの滝に向かって登る

沢登りという夏ならではの楽しみ、満喫することができました。ずっと沢の中にいると、真夏だというのに冷えてきますね。

でも気持ちいい

以下は、一緒に登った方が撮ってくれていたものです。

恐る恐る足場を確認しつつ

危険なところでは確保してもらえます

ロープ待ちで身体が冷えてくる

この翌日は、全身がものすごい筋肉痛でまともに歩けませんでした。いつもと違う筋肉をたくさん使ったのだなぁと実感。荷物も多くて大変だったし、怖かったけど、また機会があったら行ってみたいなと思っている自分がいます。信頼して命を預けられる方々がいることに、心から感謝した2日間でした。

岩を登るときにも、マンツーマンで手や足の置き場を丁寧に指示していただき、ちょっとしたことでぐんと登りやすくなったりすることも学びました。岩場に対する苦手意識が少しだけ薄れ、楽しくさえなってきたことが嬉しいです。

9月は穂高を登ってみようかなと思っています。

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この日一緒に登った、大先輩のブログが臨場感あって楽しかったです。