2013年12月26日木曜日

クリスマス登山-弥山&駒ヶ林(2)


下りる前に、駒ヶ林という山の山頂にも登ってみることに。分岐点からそれほど遠くはなく、弥山の山頂から一旦少し下りてまたちょっと登る感じです。はるか昔、厳島合戦が行われた場所だとか。(こんな高い場所で…と想像するだに恐ろしい)

こんな山があることすら知らなかったのでした

ここが、絶景で素晴らしい場所でした!ものすごく大きい岩が広がっていて、すごい解放感。弥山に登ったら、せっかくなのでぜひ立ち寄ることをオススメします。人が全然いないのも、穴場的雰囲気でよかったです。

写真じゃ伝わらない壮大さ…

向かいに見える、岩だらけの山が弥山です。あの山頂に登ってから、またここまで来たのねー、人間の足ってすごいねー!なんて興奮してしまいました。

弥山が見える

ひとしきり駒ヶ林からの眺めを堪能した後、下山。登りほど階段は多くなく、ホッとしました。こちらのコースは、少し紅葉谷コースに雰囲気が似ていたかな。森の中を歩いていく感じ。全部を比べると、私は紅葉谷コースが一番好みでした。

こんな風に切り立った岩も(※どうやら、これが駒ヶ林の岩)

あちこちで見かけた標識

岩が多いです

そして、何とか暗くなる前に下まで到着。よかったー、ホッとしました。

下りてきた!

大元公園は、何だか鹿がいっぱいでした。日暮れとともに大移動、という風情を漂わせて、ぞろぞろ歩いていましたよ。ケンカをしている鹿たちも。

そんな鹿さんのほんの一部

夕暮れ時の大鳥居は絵になります。

曇りなのが惜しい

ぐるっと桟橋に向かううちに、さらに暗く…

ちょっと不思議な雰囲気

帰りは市電の楽々園という駅で降りて、温泉「ほの湯」に寄ってきました。登山後の露天風呂の気持ちいいことといったら…!

のんびり湯ったり

温泉から上がったらビールで乾杯。天ぷらやお刺身をつまみながら、「弥山」という日本酒を見つけ、これは飲んどかんとねーなんて思いつつぐいっと一杯。そんなクリスマスも、あってもいいかなと…メリークリスマス!(過ぎてる…)

ちなみに今回は、登り2時間+下り2時間(共に休憩込み)+お昼休憩1時間でした。大体、予定どおり。反省点はスタートの大幅な遅れ。もっと、計画的に動けるようになりたいです。筋肉痛もかなりきている…もう少し鍛えなければ(>_<)

実は他にもいろんなコースがある模様。次は眺めの良い尾根を歩くという「博打尾コース」から登ってみたいな。

 

クリスマス登山-弥山&駒ヶ林(1)

年内の納品完了♪ 来年分にも手をつけておきたいところですが、ひとまず先日の登山メモを。今回が2回目となる宮島の弥山は標高535m。駒ヶ林(←山の名前です:標高509m)の山頂にも立ち寄ろうという計画です。

世間はクリスマスイブ…こんなときに山登りなんて物好きは…と思っていたら、結構にぎわっていました。特に外国の方が多かったです。すれ違った半分くらいはそうだったような。もともと広島は外国人観光客が多い土地ですけど、そういえば宮島は世界遺産でもあるのですよね。こんなに気軽に何度も来ているなんて、贅沢なことだなぁとふと思う。

前回は紅葉谷コースを登り、遅くなったためロープウェイで降りてきたのでした。それでも山登りなどほとんどしていなかった身には結構きつかった記憶。今回は、まだ通ったことのない2コースを通ってみることにしました。大聖院コースから登り、下りは大元コースで。一応、この3コースが公式HPに載っているものです。

大聖院コース登山口

休憩を入れて5時間くらいかと計算し、15時には下山できるよう10時に登り始める予定でした。しかし、何だかんだで登り始めたのは11:50…反省。日暮れ前にギリギリ間に合うライン。

石段が多い

ひたすら石段が多いコースでした。階段って、続くと結構つらいですね。ちょこちょこ立ち休憩しながら登ります。

眺めは最高

階段は少しきついけど、眺めはとても良いです。振り向くと、ずっと海が見えています。上の写真では海の中の大鳥居もちらっと。弥山はほぼ海抜ゼロメートルからの登山なので、「あそこから登ってきたんだ~」と感慨深く。

これは何だろう?

頂上まであと少し

このあたりで、すれ違ったご夫婦とおしゃべり。写真を撮っていただいたりして、ほのぼのと楽しい時間でした。ウェアを褒めていただき嬉しかったです(^^) 中学生の娘さんが山に興味を持っているので、可愛いウェアを探しているとか。またどこかでお会いできるといいな。

もうちょい

やっと山頂。新しい展望台が完成していました!以前来たとき、頂上はなんだか寂れた寒々しい感じだったんですが、雰囲気が一変。まだ2階も売店も開いていませんが、完全オープンが待ち遠しい。

工事が終わったばかり

この辺の島々の眺めは、本当に神々しいですね。私の俳句ブログのタイトル画像も、ここで撮った写真です。「多島美」という言葉も最近知りましたが、瀬戸内の魅力を表すのにぴったり。

空も海も島もひたすら美しい

お昼ごはんは、奮発してしまいましたよ。フェリーに乗る前に予約して買ってあった、名店「うえの」のあなご飯弁当。

ワクワク

じゃーん

しかし、ここで恐ろしい敵が。嫌な視線は感じていたのですが、あなごの匂いをかぎつけてすたこら寄ってきました。

「ぼくにも当然くれるよね?」 あげんわっ

ここから、しばらくは攻防戦になります。しぶとかった~。やっと敵をまいて、岩陰にすわってごはん。ふぅー。

山の上のごはんは、ほんと美味しい

この日はぽかぽか暖かくて、休憩のときにも上着がいらなかったくらい。お天気に恵まれて、幸せ気分で美味しいあなご飯を堪能しました。気づけば1時間くらい経ってしまい、15時近くに。あわてて下山体勢に入りました。

→(2)に続く

 

2013年12月22日日曜日

予想とはちょっと違った「かぐや姫の物語」

高畑勲監督、ジブリの「かぐや姫の物語」を観てきました。

姫の犯した罪と罰--そこにもっと踏み込んでいるのかな、と期待していたのでちょっと拍子抜けした感もありましたが、全体としてはとても印象に残る作品でした。明確な意味とか答えとか、そういったものを求めていくと期待外れになってしまうかもしれません。考える作品ではなく、体験する作品のような気がします。昔から知っているあの物語が、目の前で生き生きと再現されるのはワクワクしました。

何といっても、絵の魅力。スケッチ風の、余白を生かした柔らかな水彩画の美しさ。そして、その動きの面白さ。かぐや姫がみるみるうちに大きくなっていくさまなど、見ているだけで本当に楽しい。ぐいぐい引き込まれます。そういう意味では前半が圧倒的に好きでした。

でも、予告で使われていた、姫が全速力で走って行くシーンも素晴らしかった。

ストーリーは「竹取物語」にほぼ忠実に進んでいきます。そしてラストシーンの説得力がまたすごい。なんていうか、音楽とかすごく浮いてるんです。それまでの流れ無視というか、世界観無視というか…思わず笑ってしまうくらい空気が一変して、「えっ?」という感じ。もうどうにも抗えない、異空間。ことばが通じないというのは、きっとこういうことなんだ…と。悩みや苦しみなど一切存在しないという月の世界、それはきっとそれほど幸せなことではないのだと、地球に憧れてしまったというかぐや姫の気持ちが何となく分かってしまう、そんなシーンになっていたと思います。

音楽といえば、高畑監督の作詞・作曲だという「とり、むし、けもの、くさ、き、はな~」のわらべ歌がとても好きでした。映画を見終わったあともしばらく口ずさんでいたくらい。

世界観を楽しめる人には、すごくオススメしたい作品です。絵にも音楽にも和の魅力がたっぷりで、時代は違うはずなのになんだか懐かしい感じ。

捨丸との再会シーンでは、心の中で盛大にツッコミましたがw

うり坊のシーンもかわいかった

 

2013年12月14日土曜日

初のアリス・マンロー

納品を一本終え、次にかかる前にちょっと一息。筑前煮をコトコトしつつ、以前から気になっていた本を開きました。先日ノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローの「イラクサ」という短編集。

ミーハー丸出し

ひとまず「イラクサ(原題:Nettles)」と、冒頭の「恋占い(原題:Hateship, Friendship, Courtship, Loveship, Marriage)」を読みました。私は特に、「恋占い」が面白かったです。物語として単純に先が気になる、ページをめくりたくなる。長編はできれば腰を据えて一気に読みたいと思ってしまいますが、短編は仕事の合間に楽しめるのがいいですね。

カナダの短編小説の名手、という知識くらいしかないままに読み始めました。舞台もカナダで、カナダに縁のある人はさらに楽しめるのかもしれません。でも、シチュエーションや舞台よりも、「女」の業をえぐり出している、そんな面が強く印象に残ります。毒もたっぷり、性的な表現もわりとストレート。

女性にしか書けない小説だなぁと、リアルさに少々の居心地の悪さを感じながらも、気づけばいつの間にやら引き込まれていました。たっぷり余韻が残る読後感は好みです。

「恋占い」の少女たちの無邪気な残酷さに、サガンの「悲しみよこんにちは」がふっと思い出されたり。ちなみに、この中の一篇「クマが山を越えてきた(原題:The Bear Came over the Mountain)」は映画化されています(「アウェイ・フロム・ハー/君を想う」)。


翻訳を手がけてらっしゃる小竹由美子さんは、なんと高松在住だそうです。以下のリンクは短い記事ですが、気に入った一篇を訳して方々の出版社へ送るなどマンロー作品に対する情熱と行動力に感動しました。

ノーベル賞作家アリス・マンローの作品翻訳者は高松在住

12月10日に、新作(の翻訳)が出たばかり。こちらも時間ができたら読んでみたいです。



 

2013年12月10日火曜日

来年はトラベラーズノートで

12月もあっという間に3分の1が過ぎ、来年の手帳の話もあちこちで耳にします。「予定」は電子管理でも「記録」は手書きがいいなぁと、そんなことを考えていました。

というわけで、ふらっと買ったトラベラーズノート。記録といっても仕事の記録は電子管理しているし、毎日たいしたことをしているわけではないので他愛のないメモばかり。でも、こういうのが数年後に見返すと楽しかったりします。昔は毎日、日記をつけていたなー。

使い始めて1ヶ月ほどですが、今のところとても気に入っています。リフィルは最初についてきた無地に、画用紙とジッパーケースを追加。(もちろん、普通の手帳のように月間予定表のリフィルなども出ていますよ)

画用紙、今日初めて使ってみました。水彩絵具もちゃんと使えます。吸い込みは速いのでぼかしなどは難しい。ちなみに切り取り線もついていて、切り取ると定形外の葉書として80円で送れるそうです。楽しい!

絵日記とか

日付に追われることなく、ただ気分のままに書いていくラフな手帳。気になった記事やチケットなどもどんどん貼ってしまう。A4の書類は三つ折りにするとぴったり挟めるし、葉書も挟める大きさです。

宮島でひとめぼれした葉書には鹿さんが

左は、宮島や尾道で買った絵葉書(ちなみに一番上の美しい絵葉書は、広島市在住の上本ちよみさんというイラストレーターの方の作品。どれも温かく夢のある素敵な絵)。挟んでおけば、思い立ったときにいつでも便りを書けるかなぁと。ジッパーケースには80円と50円の記念切手。薄いハサミや付箋、シール、ブックダーツ(金属製のしおり)なども。

ここをペンケースやお財布にしてしまう人もいるようです。うん、確かにできそう。検索してみるといろんな使い方が出てきて、見ているだけでも楽しくなります。最後はバシッとゴムでとめるので、好きなもの挟んじゃえーという感じがすごくいい。カフェなどで本を忘れても、この手帳があればいくらでも一人遊びできちゃいそうです。

バシッ

先日の登山のときにも、メモを残したいと思って持っていきました。「トラベラーズ」ノートだし、こういうときこそ!と。でも、山にはちょっと大きすぎました…結局一度もザックから取り出さず。

となると、ポケットに入るちっちゃいパスポートサイズも気になるような……ん?



 

2013年12月7日土曜日

「広島・長崎の記憶」-世界の虐殺と記憶の継承

平和記念公園にある広島国際会議場で開催された、国際シンポジウム「広島・長崎の記憶 -世界と共に考える次世代継承の道-」に参加してきました。会場は2階席までほぼ満員。中高生や大学生らしき姿もあちこちに見られました。詳細は以下のリンクに。
「広島・長崎の記憶」 世界の虐殺を3人が語る (中国新聞/ヒロシマ平和メディアセンター)

「日本では先日、特定秘密保護法というものが可決された、そんな中ですが、伝えるべきものはしっかり伝えていきたい」という言葉と共に開始。

右は同時通訳を聞く機械

翻訳者でもある基調講演の早川敦子先生が急病とのことで、非常に残念でした。一日も早いご回復をお祈りいたします。代読で読み上げられた講演内容は、フランクルやエヴァ・ホフマンにふれたもの。中でもホフマンのエッセイ「記憶を和解のために」からの、マイダネクの収容所で亡くなったエルズーニャという少女の詩には胸をえぐられる思いでした。両親を殺され、自分もいずれ死ぬということを悟ったエルズーニャが、靴の中に隠して遺していった詩だそうです。

むかしむかしのことでした。
名前は小さなエルズーニャ
ひとりぼっちで死にました。
マイダネクは父さんの
アウシュヴィッツは母さんの
命が消えた場所でした。
ひとりぼっちのエルズーニャ
その子も死んでゆきました。

今、私たちに届く「未来への記憶」。こっそりと詩を書いて靴にしのばせる小さな少女の姿が目に浮かぶようでした。名も無きアンネ・フランクが何万人もいたのでしょう。

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広島市立大学や平和記念館の関係者の方以外に、はるばるルワンダ(イヴ・カムロンジ氏/キガリ・ジェノサイド記念センター副センター長)、ポーランド(中谷 剛 氏/国立アウシュビッツ博物館公認ガイド)、カンボジア(ソピアロム・チェイ氏/トゥール・スレン・ジェノサイド博物館副館長)からゲストスピーカーの方がいらしていました(同時通訳つき)。こんな方々の生のお話を聞ける機会はなかなかないと思うので、ちょっと無理しつつも参加できてよかったです。

非常に濃い内容だったので詳細をすべて紹介することはできませんが、何点か印象に残った部分を。


○アウシュビッツ博物館からのゲストは、なんと神戸出身の日本人の方。かつて、アウシュビッツでは生還者がガイドをしていたが、今はガイドの中に戦争体験者はゼロとなった。もちろん中谷さんも体験者ではない。日本人の起用に当初は難色を示されたが、今は唯一の日本人ガイドとして期待を託されている。

「ナチスは民主政権だったんです。当時、最も多かったのは『傍観者』だった」

「日本は(差別などに関して)まだまだ寛容性がありすぎるように思う。『このくらい構わないじゃないか』という積み重ねが取り返しのつかないことになる場合がある」

一字一句そのままではありませんが、中谷さんが仰っていたことです。非常に突き刺さりました。


○ルワンダでは、虐殺した側とされた側の民族の子どもたちが、今は同じクラスなどで過ごしている。そこでの教育はデリケート。なぜジェノサイド(集団殺戮)が起きたのか、から教え、民族のアイデンティティなどについても教える。イヴさんの「国際社会は当時、ルワンダを見放した(ただの殺し合いでありジェノサイドではない、と言われていた)」という言葉が、重く印象的でした。


○広島のカンボジアに対する支援について。カンボジアの首都プノンペンには「ひろしまハウス」というものがあり、street children の支援などをおこなっている。(全然知りませんでした…)


広島からも、中高生のジュニアライターによる活動などが紹介され(福島県の高校生との交流もあるそうです)、最後にゲストの皆さんが「(客席も含め)若い世代が活動していることに驚き、素晴らしいと思った」などと感想を漏らす場面もありました。ジュニアライターの松尾くんと木村さん、堂々としていて本当に見事な報告だったと思います。

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広島市立大学教授、広島平和研究所副所長である水本和実氏の言葉が印象に残っています。

「どういう瞬間に、何をきっかけに平和は壊れてしまうのか、ということを歴史に学ばねばならない。けれど知識だけではダメで、知恵に繋げていかねばならない」

どうすれば同じ過ちを犯すことを防げるのか、ということを私たちは常に考えていく必要があるのだと思います。いずれ若い世代に何かを尋ねられたとき、何をどう答えることができるだろう。自分の勉強不足を痛感しつつも、いろいろと考えるきっかけをもらえた一日に感謝です。


余談。ポーランドでは、日本のことを話すとき「桜の花咲く国」で100%通じるそう。毎年8月には「今日、桜の花咲く国で追悼式典がありました」と報道されるそうです。なぜだか心にしみ入るものがありました。母国を世界に恥じるようにはなりたくないなと。


 

2013年12月6日金曜日

水彩画を眺めつつ

先日の宗箇山を思い出しながら、久々に絵の具を引っぱり出してみました。絵の具と格闘していると、無心になれて心地良いです。

なかなか思うように描けない

絵関係の本は引っ越しで半分以上捨てたはずなのですが、それでもまだたくさん。絵を描くことなんて年に数回なんですが、読んだり眺めたりしているだけで楽しいです。もちろん、描きたい願望はあるわけですが(^^;;

凝り性です

中でも、上の方に積んであるアルウィン・クローショーの水彩画は抑えた色づかいがとても好きです。基本6色ほどしか使っていないのに、自由自在な表現力。

こんなふうに、さらっと描けたら

MPC 社の Learn to Paint シリーズをパラパラ読み返していて、こういった本の翻訳も一筋縄ではいかないなと思いました。アルウィンは読者に「まずは私と同じ道具を使って、言うとおりに試してみなさい」と促します。絵の具や紙はメーカーによって個性が違い、にじみ方や乾く速度も変わってくるので、最初はまったく同じものを使って技法や効果を学んだほうが確実だというわけです。でもアルウィンはイギリス在住ですから、日本では手に入りにくい画材もあります。

それらについて、巻末に「日本語版編集注」が付いています。登場する絵の具や筆を日本で輸入している代理店はどこか。輸入されていない紙については、表面のきめ細かさが似ている紙は日本で言えばどれか。また水彩紙の特性などについても、丁寧な詳しい解説があります。

このシリーズは一冊ごとに別々の翻訳者さんが訳されていますし、この注は編集部が付けたもののようです。なので厳密には翻訳とは違いますが、画材は全編通して登場するものですし、やはり意識して取り組まねばならないところですよね。英語が分かれば訳せるというものではなく、できれば様々な水彩紙や絵の具を扱ったことがあるくらいでないと、訳しづらいだろうなと感じました。どんな翻訳にも言えることではありますけど。

そんなこんなを考えながらページをめくってみるとまた違った面白さがあり、いつかこんなものも訳せたらいいな、などと思うのでした(^^)



 

2013年12月4日水曜日

山の本から-意外な共通項

本棚を見られることは何よりも恥ずかしい、とはよく言ったものだなと思います。私も自分の最近のブクログを見て苦笑い。何を考えてるか丸わかりすぎる…

凝り性です

早くまた山歩きしたいな、近郊もいいけどもう少し手ごわい山にもいつかチャレンジしてみたいな、などと妄想ばかりが膨らんでいます。すぐにでも行ければいいのですが、既に2月ごろまでは仕事で埋まりつつあるので、うまく時間を作り出したいところ。

そんなこんなで、すきま時間に登山エッセイなどを読んでますが、バーチャル体験もなかなか楽しい^_^

中でも鈴木みきさんの経歴にはびっくりしました(「私の場合は、山でした! 女一匹フリーター、じたばた成長物語」より)。「漫画家が登山やマラソンにハマってコミックエッセイを出す」という形はいくつも見たことがあります。しかしこの方は一年の半分は山小屋でバイトしつつ、「山が大好き→山に関することを仕事にしたい→どんな仕事があるだろう…→山のイラストレーターになろう!」という順序。

ひぇー、無謀すぎてすごい!と思わずつぶやいてしまいました(笑)。しかもイラストレーターになろうと決意したのが33歳のときだそうですから、情熱があれば年齢ってあまり関係ないのだなーとしみじみ思います。イラストから漫画へのステップアップもまた大変だったようで(そりゃそうですよね…)。

山に関するノウハウがつまった著書が多い鈴木さんですが、この本はちょっと毛色が違いました。もちろん山の魅力は伝わってくるのですが、なかば自伝のような感じです。

フリーランスとして共感できるところもいっぱい。鈴木さんは山の近くに住みたいという夢をかなえて今は山梨にお住まいですが、まずは東京で仕事の基盤を作ってからと考えていたとか。これはとても頷けました。私が今、広島へ移住などと自由に動けているのも、仕事の基盤がある程度できていたからです。どこに行ってもやっていける、と思えるまでにはそれなりに時間がかかりました。

「イラストレーターです」と名乗ればその日からイラストレーター。「何でも描けます」ではなく、「山については任せてください」という得意分野が強みになったこと。これらは翻訳者にも言えることで、フリーランスの心構えには分野を問わず共通項があるように思います。

限りある人生、ほんとうに好きなものや時間を大切にしていきたい。最近そんな気持ちが強くなっているので、とても共感できる一冊でした。





 

2013年12月1日日曜日

宗箇山(三滝山)に登りました

先日、広島市西区にある宗箇山(そうこやま)に登ってきました。地元では通称、三滝山と呼ばれているようです。登山口が三滝寺というお寺の境内にあります。標高356メートル。

ちょっぴり本気を見せるニューシューズw

三滝寺には去年も紅葉を見に行ったのですが、そろそろ終わりかなと思っていたらまだまだ綺麗でした。途中でお話した地元の方によると、今年は遅いそうです。

三滝寺。うっとりする美しさ。

紅葉に見とれつつ歩いていたら、登山口をうっかり見落としてしまいました。Bコースから登るつもりが、気づけばAコースに入っていたという(^-^;) 小さな石碑なので要注意です。どちらから登っても楽しいとは思いますが^^

行きは見逃してしまい、帰りに撮影

散策コースなんていうのどかな響きが似合わないほど、しょっぱなから意外に登りがいのある道でした。

岩もよじのぼる

かぐや姫が現れそう


おだやかな道も

無理せず、適度に休憩しながら。うまく撮れなかったのですが、ここはちらりと見える向かいの山の紅葉がまた綺麗でした。

手前はベンチ

登りは、頂上まで1時間40分ほど。本に載っていたコースタイムとさほど違わずたどりつけました。頂上は広々していて、ベンチもいくつかあります。

周りにもいろんな山がある

お昼ごはんは、横川駅前の「むさし」でお弁当を買ってありました。横川駅前には百均もあって便利。三滝駅前にも「むさし」がありますが、開店が10時半と遅めです。横川駅から三滝駅はJRで1駅、三滝駅から三滝寺までは歩いて15分ほどでしょうか。バスなら「三滝観音」というバス停が最寄りです。

名店「むさし」の山菜むすび

ちょっと曇ってきてしまったのが残念でした。でも、町を一望できて楽しかったし気持ち良かった(^^) 面白い形の大岩もあったな~。

遠くの山々の紅葉がまた綺麗

下りは道が狭かったけれど、すんなり進んで1時間ほど。三滝寺の境内にある「空点庵」さんでお抹茶とお菓子をいただいてほっと一息つきました。

にゅうめんなど軽食もある「空点庵」

帰りはバスにしましたが、1時間に1本なのであらかじめ調べておいた方が良いですね。お寺の中をぶらぶらして時間つぶし。

水に浮かぶもみじがイイ(・∀・)

三滝寺も被爆建物

休憩を入れても3時間と少し、短いわりには登りがいもあり楽しめて、初心者にはちょうど良い山だなーと感じました。スタートがお昼くらいになってしまっても大丈夫そう。今度は、つつじがたくさん見られるという春にまた来てみたいです。

広島の山の本をパラパラめくりながら、次はどの山に登ろうかな、冬なので低めのところで牛田山近辺の縦走なんてどうかな…などと考えています。

帰りのバスから太田川

 

2013年11月28日木曜日

山登りでリフレッシュ

週末は、仕事の山を越えたらささやかに山登りの予定(山を越えても山…! これぞ人生)。ちょっと疲れがたまっている気がするので、ぼーっとしたい気分です。

登山経験はほとんどないのですが、登ったことがあるのは高尾山、宮島の弥山、そしてわりと本格的だった屋久島。どれもすごく楽しくて気持ち良くて、またどこかの山に登りたいなと思っていました。特に屋久島では、山の魅力にすっかり飲み込まれていたような記憶。確か7時間を超える行程だったかな。

2013年5月、屋久島にて

そんな話をしていたところ、友人が貸してくれた広島の山の本。広島近辺って、山が本当にたくさんあるんですね。これは住んでいるあいだに登らないともったいない!ということで、ちょっとずつ足をのばせたらいいなーなどと妄想しています。

昨日は寝る前に、鈴木みきさんの登山エッセイを読んでいました。その中にあった、星空の下の素敵な一節。

山のテント暮らしのようにあたりまえを失ってみると
大事なものだけが見えてくるんだよ。
きっと、それは誰にとってもそんなに多くはないんだ。
思い浮かんだ顔は、裏切っちゃいけないよ。

登山エッセイ、けっこう立て続けに読んでますが、山に行くと誰もが詩人になってしまうみたい(^^) 鈴木ともこさんのエッセイもお勧めです。

テントなんてまだまだだけど、いろんな山に登ってみたいな。なんて思いつつ、最近サボり気味のジョギングに少しだけ行ってきました。仕事にも気合いが入りそうです。

元安川沿いの紅葉、まだきれい