2013年7月14日日曜日

「華麗なるギャツビー」(2013年版)

やっと「華麗なるギャツビー」を観てきました。友人知人の感想も様々で、でも全体的には良い感じだったので期待していた作品です。

「華麗なるギャツビー」公式サイト
(字幕翻訳:藤澤睦実さん)

結論から言うと、私はとても楽しめました。今までに観たレオナルド・ディカプリオの作品の中では一番好きかも知れません。野心を抱き、一人の女性に執着しつつ、机上で描いた理想の人生を追うギャツビー。ちょっと屈折した病的な部分、そして時にはコミカルな面も見せてくれて、とても魅力的でした。映像美も素晴らしく、2時間半があっという間です。

全体的にキャスティングが大当たりでした。レオはもちろん、他のキャストもぴたりとはまり役。正直、バズ・ラーマン監督は今まで苦手だったのですが、好きな作品ができて嬉しい。ギャツビーとデイジーのちょっと笑える再会シーンが特にお気に入りです。

ギャツビーの口癖に「old sport」という呼びかけがあります。一緒に観に行った友人が村上春樹訳の原作本を貸してくれたのですが、その中では「オールド・スポート」とそのまま訳されていました。以前、同業の先輩がそれについてツイートしていたのを見かけていたのもあり、鑑賞後その点について話し合うのもとっても楽しかった。今回の字幕では、全く出さないか、出すときには「友よ」という感じで訳されていました。

旬のこいわし天をいただきつつ映画談義
普通に考えたら「オールド・スポート」なんて呼びかけ、そのままカタカナにされても私たち日本人には何のことやらですよね。もちろん、一瞬で流れていってしまう字幕で使うことなどあり得ません。でも村上氏はあえてその語を選んだ、とあとがきで熱く語っておられました。それはそれで納得させられる部分はあります。何語であっても、その国の言葉でしか表せないニュアンスというのは無数にあるはず。ただ、それをすべて「これはこの言葉でしか表せない」と原語のままにしていたらキリが無い気もします。そこをあえて日本語にしてこそ翻訳なのではないかと。

なーんて生意気な話を、酔っ払いつつグダグダするのも楽しいものでした。それを言い出すと「great」も気になったりして。「グレート・ギャツビーってどうなの?」「でも、華麗なる、もどうなのかなー」「偉大な、もあったね」などなど。

あらためて、翻訳には正解というものがないのだなと感じつつ、原作本もきちんと読んでみようと思ったのでした。



デイジーは自己愛が強すぎて人を愛するということを知らない気がするし、ギャツビーの一見いちずに見える愛はただの執着にも見える。そんなことに思いを巡らせつつも、鑑賞後の印象は「ポンヌフの恋人」あたりと重なるものがありました。女のひどさがよく出ている…(笑)


今回行ったのは、初めての109シネマ。さすが広島というか、お好み焼きポップコーンなるものがあって思わずパチリ。お腹がすいておらず食べられなかったのが心残りです。


他の地域にもあるのかな?


 

2 件のコメント:

  1. ロバート・レッドフォードの破綻に向かって一直線のギャツビーの姿が辛すぎて、心惹かれながらもデカプリオのギャツビーを見ることができません

    『アンのゆりかご』ぼつぼつ読んでいます

    私にはとても値打ちのある情報をありがとうございます

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    1. あけみさん、そうなのですね~。私はレッドフォード版を観たことがなくて、今レンタルが空くのを待っているところです。そして原作を読み始めました。

      一つの作品から、いろいろに広がっていくのがまた楽しいところですね。アンのゆりかごも、どうか楽しめますように(^^)

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